1975年9月1日(月) 21号1面より 「『就職決定』あせる学生も」

現に5月、6月の頃は、企業研究という形で、わずかではあるが学生の企業訪問もあったようだ。

しかし、ほとんどの企業は、学生が、人事課を訪問しても、断わったところが多く、人事課入口にも「会社訪問は、9月1日以後に」という掲示があり、応待に出た人事課の人も、さしさわりのない話をして帰すという形が多かった。

また、クラブやゼミの先輩をたよっての訪問も、雰囲気がわかるという程度のものだったようだ。

このように一般に固いといわれる銀行、金融筋を中心に、各企業共協定を尊守しているようであった。銀行協会に問い合わせてみても、今の時期は“求人関係については、あまり詳しく答えられない”と終始している。

しかし、各企業とも抑えに抑えていただけに9月1日以降は、かなり活発な求人合戦がくりひろげられる模様だ。

就職課に行っても、企業からの情報を少しでも吸収しようと、真剣な面持ちで掲示板を見つめている学生が多い。

まだ、キャンパスは夏休み中であるが、求人課や会社説明会の日程が一斉に張り出される8月中旬頃から、これらの学生が、増えてきている。慶応では8月15日から一斉に掲示板に張り出されたが横には対照的に今年採用を見合わせる企業名が張り出されてある。

学生の話を聞いてみると、今年は非常に判断がむづかしいので、今は、焦点をあてて企業を研究しているが、早く就職を決めてしまいたいというような声が多い。

各大学の就職部も、このような情勢なので、情報を的確に判断し、慎重な行動をとってほしいといっている。

 

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4月現在の就職希望調査

就職登録者数 4,413名(文科系のみ)

  うち女子707名

希望ベストテン

商社 1,360人
銀行 960人
メーカー(製造) 761人
サービス 700人
出版・雑誌 450人
広告 220人
食品 200人
放送 130人

昨年度結果

求人会社 5,328社
決定会社 1,204社
就職登録者 4,436人
内定者(決定) 4,609人
就職率 94%

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※各データは記事の発行当時のものになります。