新型コロナは就活に大きな影響を与えている。2020年度の有効求人倍率は前年比0.45ポイント低い1.10倍で、46年ぶりの下げ幅となった。これは第一次石油危機後の1974年以来の下げ幅である。背景には新型コロナの拡大がある。塾生の中にも、就活に不安を覚える人は多くいるだろう。この「ウィズコロナ時代」、どのように就活を乗り切っていけばいいのだろう。
新型コロナと人財採用
「自分のこれからと会社のこれからが一致する会社に出会うことを目指してほしい。」
そう笑顔で語るのは、TOTO株式会社(以下、TOTO)人財採用グループグループリーダー、坂田さんだ。採用するにあたって、単に優秀な学生のみを求める時代から、「いろいろな才能、能力を持った方を採りたいなという方向に動いている」という。
これは新型コロナの影響によって生まれた変化ではなく、新型コロナ発生以前から会社自体が『変化』を先取りできる会社になるために、様々な学生が欲しいという流れから生まれた変化だ。多様性を採用の際に重視するこの変化は、新型コロナの発生に伴い、さらに加速したと考えられる。
企業の求める学生とは
では、企業が欲する多様性のある学生とは、どのような学生なのか。坂田さんはこの難しい問いに示唆に富む回答をしてくれた。
「まず、学生さんはとてもまじめで、受験対策のように企業側に寄せてきてくださる傾向があります。企業が思う「こういう人が欲しい」という人物像を演じてみようみたいに。しかし企業は面接を通して、その学生さんが欲しい部署に合うかどうかを見てるんです。だから、不採用になったとしても必要以上に落ち込む必要はなくて、どんなに優秀で人柄も好ましくとも、合う部署がないと『ご縁』がないということはよく起こる」という。
企業が欲しい学生とは、企業と学生が面接などを通して、この会社で活躍する場があるかを共に模索して見つけ出すものである。そのため、明確な理想の学生像は存在しない。企業とともに自分の活躍できる場所を見つける。これが就職活動なのだろう。
しかし、これは学生にとっては難しい注文である。答えのある問題なら、どんなに難問であっても対策が可能だ。しかし、活躍する場を企業と共に見つける活動に、明確な答えは存在しない。そのため、就職活動に困惑する学生は非常に多い。
では、コロナ禍における就活生の心構えとは…